FIP補償について
2020-02-10 11:51:46 ブリーダー
Cattery夢猫庵はFIP(猫伝染性腹膜炎)に関する補償を新設します。
(以下、文章だけでは寂しいブログになるので、我が家のベンガルの写真を載せますが、写真と本文は関係ありません。)
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、FIPウイルスが原因で、腹膜炎や腸炎を起こし、一度発病すると死亡率が高い病気です。
死亡率99%と言われていますが、100%ではありません。UC DAVISのウェブサイトには、FIPの確定診断を受け生還した例が掲載されています。
診断後の予後は、ウエットタイプで中央値8~21日です。ドライタイプではゆっくりと進行し、787日間生存した例があるそうです。
FIPの特効薬が日本でも手軽に使えるようになって、FIPが簡単に治る病気になることを祈るばかりです。
猫腸コロナウイルス(FECV)が、猫の体内で突然変異してFIPウイルス(FIPV)になります。この2つのウイルス、FECVとFIPVを両方合わせてコロナウイルス(FCoV)と呼ぶことがあります。FCoV抗体値検査ではFECVとFIPVの見分けがつきません。
FCoV陽性猫のうち FIPを発症するのはわずか数%です。(12%の説あり。)
抗体値検査で抗体値が高くてもFIP発症確定ではありません。また抗体値が低くてもFIPを発症することがあります。
つまり、猫腸コロナウイルス(FECV)の感染イコールFIP発症ではないということです。
FECVにはいくつかの株があり、どの株がFIPVに変異するのか、なぜ変異するのかは未だ正確には解明されていません。多頭飼育の方が単頭飼育に比べ発症率が高いそうですが、単頭飼育でもFIPが発症する場合があります。
FIP発症はつらく悲しいことですが、誰のせいでもありません。飼い主さんがご自分の飼い方が悪かったのではないか?と、後悔なさる必要はないと私は思います。
FECVそのものを猫の世界から排除することができれば良いのですが、今現在、それはとても難しいのです。(私自身、何度も獣医さんに相談しましたが、完全な排除は難しいとのことでした。)
FECVそのものは病原性に乏しいウイルスで、世界のほとんどの地域に存在し、猫の糞便中に排泄され、経口、経鼻で感染します。唯一、Falkland (Malvinas) IslandsにはFECVが存在しないそうです。FECVは感染しても無症状の場合が多く、(引っ越しなどのストレスによる)免疫力の低下により、腸炎を起こし下痢をすることがありますが、ほとんどが軽症で終わります。
FECVに有効なワクチンがなく、猫の体内から排除する薬もないため、完全な排除ができず、腸管に持続感染します。また、FECVは感染後に取得する抗体が弱いため、いったん排除できても簡単に再感染します。そして、FECVは人間の体や衣服のごみ、ほこりを通して、あちこちに運ばれ簡単に広がります。
FECVの感染率は50%~80%と、獣医さんによって見解がまちまちですが、キャッテリーやペットショップの純血種だけでなく、シェルターの保護猫や野良猫にもすでに広く感染しています。野生種のツシマヤマネコ、ベンガルヤマネコにも感染例があります。対馬野生生物保護センターによるとツシマヤマネコのFECV感染率は12%だそうです。
「FECVに汚染されていない猫はFIPにならないので、4週齢頃に仔猫達を母猫から離せば,FECVフリーの仔猫を作ることができる。FECVフリーにしたブリーダーさんから直接猫を譲ってもらうのがベスト」という意見があります。
実際に、FECVフリーの仔猫を作ることができるのでしょうか?
外国のブリーダーさんがこの方法を試した結果、生後2週間ですでにFECVに感染していたという報告があります。(どの国のブリーダーさんだったか?失念しました。すみません。)
いつかはどこかで感染する可能性があるFECVを排除するためだけに、生後4週齢で母猫から引き離すのは、仔猫の社会化期の大切さを考えると現実的ではありませんので、夢猫庵ではこの方法は採用していません。仔猫たちに、できるだけ母猫の傍で、より適切な社会化期を送らせることの方が重要と思いますので。ですので、本当に申し訳ありませんが、我が家の仔猫たちもFECVを持っています。
わたしが知らないだけで、世の中にはFECVを排除できているキャッテリーさんがいらっしゃるかもしれません。
絶対にFIPを発症しない仔猫をご希望の方は、そちらのキャッテリーさんからお迎えください。
因みに、FCoV抗体検査陰性は、厳密にはFECVフリーではありません。FCoV抗体検査陰性とは抗体値100未満を示しますが、100未満は0ではありませんので、遺伝子検査でFECVが陰性である場合のみFECVフリーということができます。
それでは、本題のFIP(猫伝染性腹膜炎)に関する補償新設ですが、
Cattery夢猫庵出身の猫のみを飼育している場合に限り、引き渡し日より180日以内にFIPで死亡、または確定診断された場合は、同程度の代猫を無償で提供いたします。同程度の仔猫が産まれるまでお待ち頂くことになりますが、零細個人ブリーダーのためご容赦ください。または、買主さんの希望により「代わりの猫はいらないからいくらかでも治療費を負担して欲しい」と思われる場合は代猫に代わり、お見舞金として生体補償価格の半額を返金します。
FIPの疑いでは補償できません。遺伝子検査や病理組織検査による確定診断書を提出してください。
※Cattery夢猫庵出身以外の同居猫との多頭飼育の場合は免責とします。(FIP補償はできません。)
①FECVは感染しやすく、排除が難しいウイルスであること。
②多頭飼育の環境ではCattery夢猫庵で感染していた株が突然変異を起こしたのか、同居猫から感染した株が突然変異を起こしたのかが科学的・獣医学的に判別できないこと。
③現在では多頭飼育によるストレスが突然変異の原因の一つであると考えられていること。
これらの理由から、当Cattery出身以外の同居猫との多頭飼育の場合はFIP補償を免責とします。
※また、環境による免疫力の低下の影響を受けることから、補償期間を引き渡し日から180日以内とします。
お引き渡し日から30日以内のFIPによる死亡(または確定診断)の場合は、お引き渡し前にすでにFIPを発症していた可能性がありますので、当Cattery出身以外の同居猫との多頭飼育であっても、当Catteryに起因する疾患による死亡と考え、生体補償価格を全額返金いたします。
この新設するFIP(猫伝染性腹膜炎)に関する補償は、2015年1月のCattery夢猫庵開業時点まで遡及します。
Cattery夢猫庵から仔猫をお迎えくださったオーナーさまで、以下の3つを全て満たす方は必要書類を添えてお申し出ください。
① お引き渡しから180日以内にFIP(猫伝染性腹膜炎)の確定診断を受け、遺伝子検査または病理組織検査の結果を書面で提出できる。
② Cattery夢猫庵出身の猫のみを飼育している。
③ これまでに一度も生体保障の返金を受けていない。
この記事は以下のwebサイトを参照しました。万一、記載内容に誤りがありましたら、ご指導ください。
参照
The European Advisory Board on Cat Diseases (ABCD)
品種別にみたわが国の家猫における抗猫コロナウイルス抗体の保有状況
福岡県添田町の
ベンガル猫専門ブリーダー
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