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動物取扱業者ひとり当たりの管理数

2023-03-21 14:39:59　ブリーダー

こんにちは夢猫庵の高倉千草です
先月、保健所の立ち入り検査がありまして、その時にわかったこと、私が勘違いしていたことをお話ししたいと思います。

改正された動物の愛護と管理に関する法律により、動物取扱業者ひとりが管理できる頭数に規制がかけられるようになりました。
ひとりで100頭も200頭も管理するのはもちろん論外なので、基準を設けて法律で管理することには異論はありません。
ただ、この基準がちょっと何というか不合理というか、理不尽というか。

夢猫庵の場合、猫だけを取り扱っていて、専業で従事しているのは高倉ひとりだけです。
なので、管理できる頭数は30頭、うち繁殖の用に供する猫は25頭が上限です。
この数に、母猫と一緒に過ごしている仔猫と繁殖引退猫は含めません。つまり員数外ってことです。
これまで私は、母猫と一緒に過ごしている仔猫とは、生後何か月になろうが母猫と一緒に居れば員数外だと思っていました。

ところが、立ち入り検査の際に分かったことですが、この「母猫と一緒に過ごしている仔猫」とは、「概ね生後8週間未満の乳飲み仔を指す」とのことでした。生後8週間を過ぎ、自力で餌を食べられるようになった仔猫は、「30-25＝5」の5の範疇として考えるのだとのこと。
環境省としては、生後8週間までは母猫から離さず、生後8週間を過ぎたら速やかに、ペットショップへ卸すなどして手放すことを想定しているようです。うちのように生後1年過ぎようが、行く先が決まるまでうちで飼育するというケースは考えられていないようです。

夢猫庵は現在、現役の父猫と母猫が13匹、そして将来の母猫候補、父猫候補の猫が5匹、なので、繁殖の用に供する猫が合わせて18匹います。つまり、30-18で、乳飲み仔ではないけれど、まだ行く先が決まっていない仔猫は、12匹しかうちに居られないことになります。うちは超零細個人事業主で親猫の数が少ないですから基準内で収まってますが、もう少し繁殖猫が多いブリーダーさんならアウトの場合が多くなると思います。繁殖猫25匹なら、乳飲み仔ではないけれど、まだ行く先が決まっていない仔猫は5匹しか置いておけないのですから。

私のお付き合いがあるブリーダーさんはたいてい、直販していて仔猫が成長しても、行く先が決まるまで自分で飼育をするスタンスの方が多く、手元に、乳飲み仔ではないけれど、まだ行く先が決まっていない仔猫が10数匹とか普通ですが、法律的にはアウトの可能性が高いです。

これはもう、環境省としては、繁殖者は産ませた仔猫をすべからくペットショップに卸すべきであると考えているのではないかと思います。ブリーダーが仔猫を直販して、行く先がきまるまで責任もって飼育しているなんて、想像だにしていないのではないかと思ってしまいます。

馬鹿みたいに大きなケージが必要ってことだったり、移動後2日間の経過観察だったり、この取り扱い数値基準だったり。
環境省は本当に動物の愛護を理解しているのかと疑問に思いますし、法律を作る人は現場の状況を理解していないと思います。

とはいえ。可決して施行されてしまった法律ですから、遵守していきたいと思います。
ってことで、この記事中の写真は我が家の「乳飲み仔ではないけれど、まだ行く先が決まっていない仔猫」たちです。
みんなめっちゃ可愛いのになんで行く先が決まっていないのか不思議ですが、決まってませんできるだけ早く行く先が決まるように、生体価格はとてもお安く設定しています。